2009年08月09日

『岳』石塚 真一

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久々に、漫画を読んで泣きました。
そして久々に、漫画を読んで人生を学びました。

まさかいままで山好きを自称していた自分が、
これほどまで山の危険性と魅力を漫画から学ぶことになるとは。


「岳」は北アルプスの山々を舞台にした。
山岳救助隊の日常を描いた物語です。

この漫画は、ひたすら登山のドラマを描いていながら、
同時に様々な人の人生模様もひたすら描いています。

主人公の山岳救助ボランティア、島崎三歩が住む北アルプスには、
実に色んな背景を持った人々が山に登りに来ます。
ある人は、平凡な日常からの脱出だったり。
ある人は、大事な人との約束のためだったり。
ある人は、友人との固い結束を結ぶためだったり。
でも、それらの人に共通しているのは、みんな山に魅せられているということ。
だから三歩は、登山者が危険の認識不足や経験不足で遭難や滑落事故を起こしても、
彼らを決して叱ったりしません。
ただ、こう言うのです「よく頑張った、またここ(北アルプス)で会おう」と。

三歩は、たとえどんな理由だったとしても、
山に来た人たちが大好きなのです。
なぜなら、自分が山をこよなく愛しているから。

そんな、主人公の底抜けな明るさと、
死に対してある種の諦観の念を持った人生観に、自分は憧れました。
「あぁ、オレも山でこんな人に会いたい」と本気で思いました。


自分は、今まで趣味として軽く登山をかじっていただけだと、
「岳」を読んで思い知らされました。
そして、いつか魂を込めるほどの登山をしてみたいと思いました。
また、その登山を幾つになっても楽しんでいきたい。


漫画という媒体の底力を思い知らされた作品です。
山に興味がない人にも是非読んで欲しいです。
posted by 地獄坂 at 21:40| ☔| Comment(13) | TrackBack(1) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月16日

『聖☆おにいさん』中村 光

聖おにいさん.jpg
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いまさらだけど、
今話題の『聖☆おにいさん』を読んでみました。

変化球ギャグ漫画かと思いきや、
意外と正統派のほのぼのコメディーでした。

ただ、設定が…
「バカンス中のブッダとイエスが東京立川に降り立ち、
 ハウスシェアしながら下界生活を楽しむ」
と言うことから分かるとおり、ギャグはほとんど宗教ネタです。

ブッダは額の丸い点を押されたらめっちゃ痛かったり、
キリストは我慢をしすぎると聖疵が開いて血だらけになっちゃったり、
こんなに宗教を茶化した漫画は初めて読みました。

このようなネタが堂々と許される日本という寛容な国にバンザイです。
posted by 地獄坂 at 20:28| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月27日

いまさらだけど『おお振り』にハマっています

おおきく.jpg

アニメにもなっているほど有名なので
「いまさらかよっ!」って話しですが、
『おおきく振りかぶって』(ひぐちアサ)にハマっています。

今まで読んだ野球漫画で一番おもしろいです。

元々自分は、少年野球をやっていたにもかかわらず、
野球には全く興味がなく、TVで親が巨人戦を毎日見ているのを傍から見てて、
「何がおもしろいんだろう?」と思っていた奴でした。

しかし、『おお振り』を読んでやっと、
「野球ってこんな緻密なスポーツだったんだ!」とわかりました。

とにかくこのマンガは、打席での一球一球の描写が細かいんです。
なぜ、その場面でその球種でそのコースに投げるのか、ということが一々説明されています。
そのピッチャー(キャッチャー)とバッターの知的駆け引きがホント面白いんですよね。

もちろん、『おお振り』では「狙った所に必ず投げれるピッチャー」というあり得ない能力の持ち主が主人公なので、
こんな緻密な描写が描けると思います。
実際の野球はもっと「えいやっ!」で投げている場面も多いでしょうね(笑)


しかし、このマンガを読んでからというもの、
TVの野球放映のピッチャーの投げる前の間が楽しめるようになりましたね。
「今首を振ったのはまっすぐで勝負したいからなのかな?」とか
「ここであえて内角に見せ球かー」などなど。


とにかく『おお振り』は単なる「青春野球漫画」ではありません。
(あだち○が量産しているような…笑)
野球オンチの自分でも楽しめるので、ファンだったらより楽しめると思います。
強くオススメします。
posted by 地獄坂 at 14:12| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月19日

『あたらしい朝』黒田 硫黄

あたらしい朝.jpg
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久々の黒田硫黄の新連載ですね。

舞台は第二次世界大戦時のドイツ海軍という重いテーマながら、
相変わらずの黒田硫黄らしい楽天主義が目立っています。

今作も「向こう見ずで楽観的な若者」二人が、
怪しい大金を拾ってしまった勢いで海軍に入ってしまうという行動から物語は始まります。

しかし、時代は大戦の開戦初期、
世相は次第にきな臭くなる一方で、いつまでも楽観主義でいられるわけもなく、
1巻目最後で、二人が早くも自分たちの行動を後悔し始めたのが面白かったですね。

今後は、初期の『大日本天狗党絵詞』みたいに、
悲観主義的なせつない展開になっていくのかな?

ちなみに、一巻目は戦争をしながらも悲壮感は薄いです。
ドイツ海軍の日常風景といった感じです。


黒田硫黄ファンはぜひご一読を。
posted by 地獄坂 at 14:33| 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月02日

闇金ウシジマくん

闇金ウシジマくん.jpg

壮絶な漫画ですね…
12巻まで一気に読んだら脳に強烈な印象が残りました。
最高におもしろいんだけど、読んだらかなりヘコむ、
映画『ミスト』みたいなマンガです。


でも、このマンガの登場人物から得られる教訓、
または共感できる部分というのは沢山ありました。

ストーリーは、闇金融「ウシジマ君」を中心にして、
フリーター、風俗嬢、ヤンキー、ギャル男など、様々な人間模様が描かれています。

闇金融に手を出してしまう人々は一見すると「ダメ人間」なんですが、
一概に「ダメ」って切り捨てられない強烈な人間臭さがあるんですよね。

「もうやらない」と心に決めながらもパチスロに手を出してしまうギャンブル狂。

風俗嬢に真実の愛を求めるキモ男。

買い物依存から抜け出せない若い女性。

大物になりたいという大きな夢を抱えて借金を重ねるギャル男。

彼らは最終的に闇金に手を出してしまうことで、人生が転落する。
(完全に全ての人が不幸にならない点がこのマンガの救いですが…)

しかし、彼らと自分たちの違いってそんなに大きいのか?って思います。
彼らは人よりちょっとだけ、欲望が大きく、現実が見えず、不器用だっただけじゃないのか。
そういう意味では非常に「人間らしい」ともいえます。


「足りる」ことを覚えること、
「分相応の生活をすること」の大切さが身にしみたマンガです。


ドロドロした人間ドラマが好きな人はオススメ!
posted by 地獄坂 at 16:34| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月22日

『Y十M』読んでみた

Y十M.jpg

はたまた漫画話題です(笑)

『Y十M』(せがわまさき)を読んでみました。
(5巻までだけど)

ストーリーは単純な勧善懲悪ものですね。

一族を皆殺しにされた女七人が、「会津七本槍」と呼ばれる達人たちに復讐を企てる。
その手助けをするのが、時代劇のヒーロー柳生十兵衛三厳!


う〜ん、せがわまさきは絵も相当うまいし、
時代劇を書かせたら最適だとは思うんですが、
前作『バジリスク』の愛憎入り乱れる超絶忍術合戦を読んだ後では、
どうも物足りなさを感じますね〜

敵役の「会津七本槍」は忍者ではなく武芸者なので、
戦闘シーンも武芸に秀でた人間通しの戦いの域を越えないし、
ストーリーも単純な復讐劇なのである程度先が読めちゃいますね。
(5巻の時点で七本槍は四本まで減っているし、笑)

これから、びっくり仰天の展開になるのかな。
教えて!漫画マニア!(笑)


さてさて、これは、
『バジリスク』に続く山田風太郎『忍法帖』シリーズ第二段という触れ込みだけど、
せがわまさきは『忍法帖』シリーズ続けていくんかな。

『バジリスク』という傑作でかなりの成功を収めたので、
次回は時代劇から一旦離れた舞台で超人バトルを書いたらいいんじゃない?
ってのが、オレの個人的な意見ですたい。
posted by 地獄坂 at 11:11| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月12日

今更だけど(一部の人に)『シグルイ』を薦めます

シグルイ.jpg

現在、本や映画を見まくって、
カルチャーに触れまくっている毎日を送っていますが、
オレの文化的価値観の原点は、
ゲーム、アニメ、漫画などのサブカルチャーなんです。

恥ずかしながら、
中学、高校時代はある種「オタク」の一種だったことを、
ここに告白します(笑)


そんな地獄坂ですが、漫画の魅力からは今でも抜け出せません。
気が向いたら、どこかに面白い漫画はないかとアンテナ張ってます。
「日本の漫画文化はもはやサブではなく世界に誇れるメインカルチャーになった!」
って、本気で思ってるぐらいです。


そんなオレが現在、新刊の発行を一番楽しみにしているのが、
『シグルイ』(山口貴由)です。
毎回新刊を読むたびに、脳に衝撃が走ります。
(「いまさらかよっ!」って思う人も多数いると思いますが)


ただ、この漫画は非常にアクが強いので、
以下の条件に当てはまる人にオススメします。

@漫画が大好きですか?

A残酷表現を見ても大丈夫ですか?
 (血とか臓物とか)

B人間の狂気に興味がありますか?

Cチャンバラ(時代劇)が好きですか?


Aに関しては、作者の画力の凄さも相まって、
「おぞましい」の一言です。
ただ、この残酷表現がこの作品の魅力の一つであることも確かです。

Bの人間の狂気については、
作品中の登場人物の剣術への狂気は並々ならぬものがあります。
それは「武士道」と呼びるような高尚なものではなく、
むしろ「ケモノ」に近いような、武=暴力へのあくなき探究。

狂気の種類は違いますが、
オレが大好きな漫画『殺し屋イチ』とある種通じたものがあり、
人間が普段抑圧していた欲望を爆発させた登場人物が多数登場します。

一見「ありえないだろっ!」と思うような、
秘剣、魔剣も作者の手にかかれば現実味を帯びてくるのも不思議です。


とにかく、
上記条件に当てはまる人は是非とも御一読あれ。
一巻目の第一話で度肝を抜かれること間違いなしです。
posted by 地獄坂 at 00:10| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月09日

『茄子』(黒田硫黄)を再読

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そういえば実家には、
「昔ため込んだ膨大な漫画コレクションがあるなぁ」と気づいて、
ひとまず『茄子』(黒田硫黄)を再読してみました。

『茄子』は一話完結型のオムニバス漫画です。
ストーリーには何らかのかたちで(時にはむりやり)茄子を絡めていきます。

『アンダルシアの夏』というアニメ映画の原作にもなったので、
知っている人は多いかもしれません。
この映画は、自転車レースをリアルに描いた稀有な傑作なんですが、
この話は『茄子』の中ではむしろ特殊な、情熱的な話で、
この漫画の醍醐味は、ほとんどの話を占める、
ゆる〜い空気感の人間ドラマだと自分的には思っているんですよね。


その中でも好きなのは、

「茄子を畑で作りながら田舎で晴耕雨読の生活をしている元学者・高間」

「親に夜逃げされて幼い弟妹の面倒を見ることになった女子高生・高橋」

の物語かな。

楽観主義でも悲観主義でもなくて、
肩の力抜いて生きている感じが好きなんですよね。


この空気感を損なわずに、
誰か、上記の物語を実写映画化してくれないかな。
犬童一心監督あたりが雰囲気的にマッチすると個人的には思うんだけど(笑)
posted by 地獄坂 at 10:50| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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