昨日まで2夜連続で放映された、
NHKスペシャル『北極大変動』を観て愕然としました。
番組の論点を端的に説明すると、以下のような感じです。
@ 北極圏の氷がここ数年で急激に消失しつつある。
A @のせいで、生態系が乱れホッキョクグマなどが絶滅の危機にさらされている
B @の現象が、北極圏のCO2吸収能を減少させより地球温暖化を加速させる
C @のおかげで北極圏の資源開発競争が高まり、より多くの化石資源が採取される
D Cにより、世界の化石燃料消費が高まりよりCO2排出量が増え、地球温暖化が加速する
(いわゆる負の連鎖)
ここで愕然としたのが、@の事実です。
この4,5年で北極圏の氷が急激に減っているのは紛れもない事実。
その影響を受ける、A、Cの現象は今現在進行形中なので、
今後、どう展開していくかわからない。
そして、ちょっと疑問に思ったのが、
「地球温暖化」→「北極圏の氷の減少」の因果関係ってホント?ってこと。
さらに突っ込むと、
「大気中のCO2の増加」→「地球温暖化」の関係ってホント?
この番組を見て、自分の環境問題への無知さを思い知らされたので、
さっそく、地球温暖化対策へ疑問を投げかけている、
『ほんとうの環境問題』(池田 清彦, 養老 孟司)を読んでみました。

いきなり懐疑論から読むなんて、ひねくれ者ですね(笑)
でも、TVや新聞からの情報なんて常に一方的じゃないですか。
環境問題でいえば、地球温暖化現象は「当然の事実」として表現され、
CO2削減に全国民一致で協力して京都議定書を守ることが「善」とされている。
地球温暖化に懐疑論をとなえている科学者もいるのに、
主要メディアで取り上げられる割合はほぼ0%。
だから、あえて懐疑論から読んでみようかなって。無知ゆえにね(笑)
この本はハッとさせられる内容が実に多く書いてありましたね。
例えば、以下のような内容。
・日本の省エネ技術はすでに世界一。
従ってCO2を削減するためには排出権取引に頼らざるを得ない。
それに要する予算は年間一兆円。
京都議定書を守ることは確実に国益を害する。
・環境問題にはブームがある。例えば、かつて騒がれいたダイオキシン、
環境ホルモンなどは今は問題にもなっていない。
・環境問題はつまるところエネルギーと食糧の問題。
現在の日本の食料自給率は39%。エネルギー自給率は4%。
懐疑論というよりは、
「環境問題とはどういう問題なのかもっときちんと考えてみようよ」
という論調の本でした。
現在はメディアの影響もあって環境問題に関心の深い人も多いと思うので、
立ち止まって別の視点で問題を見てみるという意味でも、ぜひ読んで欲しい本ですね。
最後にちょっと雑談。
現在オレは時間が沢山あるからこんな本が読めるけど、
はっきりいって、一般の働いている人は、
「環境問題」にしろ「政治問題」しろ、興味を持つヒマがないですよね。
平日は働くことに多くの時間を割かれるし、
数少ない余暇は、遊びや家族のために使うのが当たり前。
どちらも将来の自分たちの生活に影響するのは確実だけど、
活動をするのはおろか、考えている余裕もない。
なにせ、毎日食っていくのにやっとだから。
だからこそ、政治家や官僚など国のリーダー達に、
きちんと考えて行動して欲しい、と思うわけです。
無知の雑談でした(笑)